JADA|『大地の絵画、大地の音楽』Marikaとのコラボレーション・リポート

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『大地の絵画、大地の音楽』Marikaとのコラボレーション・リポート (2008 Nov. 5 in JT-Art Hall)
by JADA事務局 鈴木エージ
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Marikaはポニョポニョしていた。まるで、映画『ゴーストバスター』に出て来るマシュマロマンか、Mrs.タイヤマンのようだ。ハグをすると僕の両手では抱え切れないほどのボリュームだ。暖かい。まるで母なる地球に抱き締められているかのような感覚を覚えた。

Marika Patrickは、オーストラリアでも秘境中の秘境である北西部キンパリー、その東部のWarmunコミュニティからやってきたアボリジニのアーティストだ。彼女がリーダー的な役割をしているWarmun Art Centreには、500人足らずのコミュニティの人口の半数=約250人ものアーティストがいるというから驚きだ。

●写真1: Warmun Art Centre(ポストカードより)
●写真2: Warmunのアーティスト達。中央で二人の子どもを抱えているのがMarikaです。3人の子どもの母親でもあります。(ポストカードより)
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アボリジナル・ペインティングは地域や画法で3つの大きなスタイルに分けられる。中央オーストラリアの砂漠地帯の砂絵から発展したドット・ペインティング(点描画)、オーストラリア北部アーネムランドのバーク・ペインティング(樹皮画)とそのクロス・ハッチ(線描画)と呼ばれる画法、そしてキンバリー地域のスタイルだ。(詳細は当サイト「アボリジニと芸術」アボリジナル・ペインティングのセクションをご覧ください)

 キンバリーのペインティング・スタイルの特徴は、大胆な構図とまるでイラストレーションのように色彩豊かで、洗練されたポップな感覚にあると思う。僕が一番好きなスタイルだ。Marikaの絵もそうだが、どれもカワイイ。
 アクリル絵の具を使わずに、ピンク色を含む何十色ものオーカー(岩絵の具)を今も大事に使っている。また、そのスタイルの大胆さとポップさは、何万年にも渡って描き伝えられた岩絵から来ていると思う。

●写真3: Marika Patrick
●写真4: Marikaの作品1
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そのMarikaとのコラボレーションが実現した。
 舞台左側に用意された140×360cmの巨大なキャンバスにMarikaがライブ・ペインティングし、右手に鈴木エージ率いるバンドが演奏する。鈴木エージのdidge+Vocalに加え、Uexa-Qのdidge、鈴木ゆうのKeyb+Afrikan Drums+Suling(バリの竹笛)、Yo-Yaのギターシンセ、Escellsのベースという5人編成だ。Marikaのポップな絵に合わせ、なるべく音楽もポップな感じになるよう心掛けた。全6曲中、2曲はインスト、僕が歌った4曲中2曲は、アボリジニの伝統的な歌のメロディ・ラインを元にアレンジしたものだ。歌詞が分らないので「こう聞こえる」という言わばハナモゲラになってしまったが、アボリジニの歌の雰囲気は味わっていただけたと思う。

●写真5: リハーサル風景
●写真6: 鈴木エージ: didge,Vocal,Sticks,Drum.
●写真7: Uexa-Q: didge,Sticks.
●写真8: 鈴木ゆう: Keyb,Drum,Perc,Suling.
●写真9: Yo-Ya: guitar-syn,Perc.
●写真10: Escells: Bass,Perc.
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Marikaの絵は、まるっこい奇岩郡で有名なBungle Bungle(バングル・バングル)の地を描いている。バングルバングルは世界自然遺産にも登録されている貴重な手付かずの自然環境と雄大な景観を誇っている。そのバングルバングルの伝統的所有者が、Marikaの一族であり、バングルバングルの絵を描くことも彼らだけに許されたことだと言う。下地に塗られた黄土色のオーカーがまるで金箔のように輝いていたのが印象的だった。

●写真11: Marika's Live Painting-Bungle Bungle- (JTのHPより)
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第1部のMarikaとのコラボレーションは、盛況のうちに40分ほどで終わり、休憩後のインタビューへと続く。インタビューではもっともっと色々な話を聞きたかったのだが、限られた時間では致し方ありません。

 また、鈴木エージによる「ペーパーディジュリドゥ」を使ったディジュ体験(写真12)と、Marikaによるカンガルーやエミューのダンス(形態模写?)を来場してくれた6人の子ども達に体験してもらいました(写真13)。楽しい時間はすぐに経ってしまうものですね。

●写真12: ペーパーディジュによるディジュ体験のワークショップ(JTのHPより)
●写真13: Marikaのカンガルー・ダンスの模様(JTのHPより)
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最後にMarikaにこんなことを聞いてみた。「今の地球、世界は温暖化などかなり深刻な状態にありますが、私たちはどうすればいいと思いますか?」。Marikaはこう答えてくれた。「自分を信じて、強い心を持って生きて下さい」と。シンプルで力強い言葉が胸に響きました。ありがとう。(え)

●写真14: 終了後の記念写真(Qちゃんがいない!)
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*その他、詳細は以下のホームページをご覧下さい。
●JT日本たばこ
www.jti.co.jp/JTI/contribution/citizenship/report/18/
●ワンダーアートプロダクション
http://www11.ocn.ne.jp/~wap/activity_20.html
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