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オーストラリアの先住民であるアボリジニ。国連は1993年を国際先住民年と定めましたが、その中でも特に注目を集めているアボリジニは、今のオーストラリア大陸に4〜5万年前から住んでいたと言われています。そのアボリジニが昔から精霊と交信するための祭儀で使用していたのが、この伝統的な民族楽器「ディジュリドゥ」なのです。
ディジュリドゥはオーストラリア北部のブッシュ地帯に生えるユーカリの木から作られます。まずシロアリによって中が喰い荒され空洞化した木を探し出し、1mから2mぐらいの長さに切ります。その後、表皮を削り口当ての部分に蜜蝋(ビーズ・ワックス)などを塗り、表面には岩を砕いた顔料で独得なアボリジナル・ペインティングを施します。
その口当てに口を付け、息を吹き込みながら唇を震わせ、口や筒の中に共鳴させることで豊かな倍音に彩られた独得な音を発生させるのです。それをいわゆる循環呼吸法(サーキュラー・ブリージング)という独得な呼吸法を用いて吹くことにより、太古の時代を連想させるような神秘的な音を放つのです。
アボリジニの人々は、ディジュリドゥの生まれる時の神話(ドリーミング・ストーリー)を持ち、神聖な楽器として大事に扱います。また、ディジュリドゥには精霊が宿ると信じ、耳を当てて聴いてみると精霊の声が聞こえるといいます。アボリジニの人々はディジュリドゥに限らず、全てのものにrespect(敬意、尊敬)を払うことを忘れません。私たちが普段忘れがちなこうした姿勢を確認し直すことは、現代という時代に非常に大きな意義を持っていると私たちは考えます。ディジュリドゥという楽器を通して、先住民アボリジニの文化やその姿勢の一端でもお伝えすることができれば、また「音楽」が生まれ出る原点をこの不思議な音・空間で体感していただければ幸いです。
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