●『クジラの島の少女』('02)-Whale Rider-

 2006年2月、ここ一宮の海岸に70頭ものクジラ(カズハゴンドウ)が打ち上げられた事件を、ニュースなどで見て覚えている方も多いでしょう。サーファーの皆さんの必死の救護活動にもかかわらず、残念ながらその命を救う事はできませんでした。


 累々と横たわるクジラの群れ。その光景を見て、ある映画を思い出しました。『クジラの島の少女』-Whale Rider-というニュージーランドのマオリ族の神話をモチーフにした映画です。

 伝統を失って行くマオリ族の現状は暗い。映画に流れるマオリの歌の旋律も寂し気だ。それでもラストには、マオリらしい勇壮な力強い歌と踊り、和声はやはりポリネシア系の明るいノリが感じられ、未来への希望が感じられます。


 クジラやイルカの座礁には「水銀中毒」や「遠浅迷い込み説」、「天敵に追われて(シャチがこの辺りにいるわけではないだろうが)・・・」など、色々な原因が考えられるそうですが、先日見たNHKスペシャルでの「シロナガスクジラ」の特集で、船舶のソナーがクジラ類には物凄い衝撃波となって襲いかかるそうで、その衝撃でパニックを起こすことが座礁のひとつの原因となるとも考えられるそうです。だとしたら、あまりに悲しい・・・。船舶の高速化とともに接触事故も多いという。なんとかならないもんだろうか。



●『ワンス・ウォリアーズ』('94)-Once were Warriors-

 もうひとつニュージーランドのマオリの映画があった。
『ワンス・ウォリアーズ』-Once were Warriors-という映画を僕は試写会で観た。

音楽評論家の山田道成氏に連れられて行ったのだが、そこでなんと大学の先輩に偶然出会ったのである。卒業後、Aさんは文化放送のアナウンサーになっていたのだが、辞めてなんとオスギとピーコさんの事務所で働いているという。Aさんも以前からちょっと「そのケ」があったようなので、その意外な転職にも「なるほどね〜」と妙にすんなり納得してしまった。Aさんは今もそこにいるのかしら。オスギとピーコとAさんと・・・、3人の会話を想像すると・・・ちょっと恐い。

 映画の衝撃も、このAさんとの偶然の出合いで吹っ飛んでしまって、今となっては映画の内容をほとんど覚えていないので、レンタルして観てみて下さい。



●『裸足の1500マイル』('02)-Rabbit Proof Fence-

 先住民つながりで、『裸足の1500マイル』-Rabbit Proof Fence-('02)というオーストラリアのアボリジニの映画も記憶に新しい。

これも試写会に呼ばれて観たのだが、不覚にも最前列で号泣してしまった。いやはや、これほど泣いたのは小学校の時以来かもしれない。これでもかってほど泣くと意外に爽快なものなのですねぇ。この爽快感を味わってみたいという方は是非お試しあれ。心が洗われますぞ。


 アボリジニの映画で『Yolungu Boy』('01)という映画もあって、Yothu Yindiらが音楽で参加していてカッコいいサウンドを聴かせてくれるはずだったのに・・・、残念ながら日本では公開されていない。どこか日本で配給してくれるところはないものでしょうかねぇ。



●『ホテル・ハイビスカス』('02)

 ついでにもう1本。沖縄(うちな〜)映画がやけに元気で面白い。『パイナップル・ツアーズ』も良かったけど、この『ホテル・ハイビスカス』もすっごく面白かったさぁ。久々に腹の底から笑った気がします。ほんと「アリが10匹!」という感じです。これはオススメ!!

 主人公の美恵子はまさに絵に描いたような子どもで、見ているだけで幸せな気分になってしまいます。お父ちゃんの三線弾き語り「道具美らさや」もイイですが、登川誠仁氏の「キジムナー」の曲(赤田首里殿内[あかたすんどうんち]の替え歌?)やエンディングの「白雲節」が最高です。

あ〜、沖縄に住みたいなぁ。(え)